
こんにちは。
キッチンツール・ナビ、運営者の「れいと」です。
おうちでレストランのような極上ローストビーフや、しっとりジューシーなサラダチキンが作れる魔法のアイテム、低温調理器。
これ、本当に便利ですよね。
私も毎日のように愛用しているのですが、周りの友人からよくこんな相談を受けるんです。
「低温調理器って、何時間も、ときには丸一日中ずっと動かしっぱなしにするよね?電気代がとんでもないことになりそうで怖くて使えないんだけど……」
確かに、製品のパッケージや説明書に「定格消費電力 1000W」とか「1200W」なんて書かれているのを見ると、ギョッとしてしまいますよね。
ドライヤーや電子レンジと同じくらいのハイパワーな器具を、何時間も連続で稼働させるわけですから、電気料金が高騰するんじゃないかと不安になるのも当然かなと思います。
でも、安心してください。
実は、低温調理器の電気代が安くなるメカニズムや、他熱源とのコスト比較、そして少しの工夫で電気代計算の数値をもっと引き下げられる節約方法を知れば、その不安はすっきりと解消されますよ。
高出力家電の電気代が気になる方は、同じキッチン家電の考え方としてエアフライヤーの消費電力と電気代を整理した記事も参考になります。
この記事では、私が実際に調べたデータや実測シミュレーションを交えながら、低温調理器にまつわるお金の疑問を徹底的に解き明かしていきますね。
この記事を読むことで、あなたのキッチンの光熱費がどう変わるのか、具体的なイメージが湧くはずです。
それでは、一緒に見ていきましょう。
ポイント
- 低温調理器の電気代が仕様上の数値よりも遥かに安く収まる熱力学的な理由
- アイリスオーヤマやボニークなど人気モデルの実質的な稼働コストと年間シミュレーション
- プロパンガスやIHクッキングヒーターと比べたときの圧倒的なコストパフォーマンス
- 今日からすぐに家庭で実践できる、電気代を限界まで削るための具体的なライフハック
低温調理器の電気代に関する誤解と計算方法
まずは、多くの人が抱いている「低温調理器は電気代が高い」という誤解の正体を暴いていきましょう。
電気代の計算方法といった基本的なルールを整理しながら、なぜ長時間の調理でも家計に優しいのか、その物理的な仕組みを分かりやすく解説していきますね。
定格出力の高さが与える勘違い

多くの人が「低温調理器は電気代がヤバい」と思い込んでしまう最大の原因は、製品のスペック表に記載されている「定格消費電力」にあります。
一般的な家庭用の低温調理器は、だいたい 800W から 1200W ほどの出力を持っています。
これって、実はヘアアイロンやヘアドライヤー、あるいは電子レンジを「強」で動かしているときとほぼ同じレベルのパワーなんですよね。
直感的に「そんな大食い家電を 5時間も 10時間も動かしたら、電気代だけで一食分の食材費が吹き飛んでしまうのでは?」と不安になるのは、ごく自然なことかなと思います。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
定格消費電力というのは、あくまで「その機械が出せる最大のパワー」を示しているに過ぎないんです。
低温調理器がこの最大パワー(1000Wなど)を出し続けるのは、実は全体の調理時間のうち、ほんの最初の短い時間だけなんですよ。
つまり、「1000Wの家電を 10時間動かしたから 10kWh の電力を消費した」という単純な掛け算は、低温調理器においてはまったく当てはまりません。
この事実を知るだけでも、ちょっと肩の荷が下りる気がしませんか?
まずはこの「定格出力=常に消費される電力ではない」という基本を、頭の片隅に置いておいてくださいね。
初期加熱と温度キープの電力変化
では、低温調理器が動いている間、電気はどのように消費されているのでしょうか?
そのヒミツは、調理プロセスの「二面性」にあります。
低温調理器の動作は、大きく分けて以下の2つのフェーズに分かれているんですよ。
1つ目が、水を設定温度まで温める「初期加熱(立ち上げ)フェーズ」です。
冷たい水(だいたい 15℃ から 20℃ くらい)を、お肉を加熱するのに最適な 60℃ 前後まで一気に引き上げるため、このときだけはヒーターが定格出力(最大パワー)でフル稼働します。
この時間は、使う水の量にもよりますがだいたい 15分 から 30分 程度。
コストの上昇カーブが一番急になるタイミングですね。
2つ目が、設定温度に達した後にその温度を保ち続ける「温度キープ(保温)フェーズ」です。
一度水が温まってしまえば、あとは放熱によって失われるわずかな熱を補うだけでよくなります。
このフェーズに入ると、温度センサーとインバータ制御が賢く働き、ヒーターの出力を最小限に抑えるんです。
温度キープ中の平均消費電力は、なんとわずか 30W から 150W 程度にまで激減します。

これは一般的な液晶テレビや、少し明るめの照明器具を点けているのと変わらないレベルの電力なんです。
何時間も連続運転する低温調理ですが、その大半はこの「超省エネモード」で動いているため、トータルの電気代は驚くほど安く抑えられるわけですね。
知っておきたい電力変化のポイント
- 立ち上げ時:1000W前後のフルパワーで一気に加熱(短時間)
- 保温時:30W〜150W程度の微小な電力で温度をピタッと維持(長時間)
- だから、全体の稼働時間が長くても電気代が爆発的に高くなることはない!

湯煎式が持つ優れた熱慣性の特徴

ここで少し、理科の授業のような物理のお話をさせてくださいね。
でも難しい話ではないので安心してください。
低温調理器がこれほどまでに温度をキープしやすいのは、加熱の媒体として「水」を使っているからなんです。
物理の世界には「比熱(ひねつ)」という言葉があります。
これは物質の温度を 1℃ 上げるのに必要なエネルギーの量のこと。
実は、水という物質はあらゆる液体・固体の中でもトップクラスに「温まりにくく、冷めにくい」という性質(高い比熱)を持っています。
例えば、アルミニウムなどの金属プレートを直接温める方式と、水を温める湯煎式を比較してみましょう。
室温 25℃ の状態から調理温度の 75℃ まで、温度を 50℃ 上昇させるために必要な理論上の電力量を計算すると、面白いことがわかります。
アルミニウム製のプレート(5kg)を温める場合、必要な電力量は理論上わずか約 0.061kWh。
電気代に換算すると、1kWh あたり 25円と仮定した場合で約 1.53円です。
実測値でも約 2.50円と、金属はすぐに温まります。
一方で、湯煎用の水(17.5L)を同じだけ温める場合、必要な電力量は理論上で約 1.025kWh。
電気代にするとなんと約 25.6円もかかります。
水は金属の約 16.8倍もの初期エネルギーを必要とするんですね。
これだけ見ると「水を使うのは損なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、真価を発揮するのはここからです。
一度温まった水は、その膨大なエネルギーを体内に蓄え込んでいます。
この「熱を蓄える力(熱慣性)」が非常に強いため、一度設定温度に達してしまえば、外気によって急激に冷まされることがありません。
低温調理器が長時間の運転において、まるで魔法のように一定の温度をピタッとキープし続けられるのは、この水の粘り強い熱特性を最大限に活かしているからなんですよ。
主要メーカーのモデル別コスト実測
さて、ここからはもっと現実的な電気代の数字を見ていきましょう。
実際に市販されている低温調理器の人気モデルを使って調理をした場合、私たちの財布から具体的にいくらのコストが出ていくのか、実測データや詳細なシミュレーションを交えて計算してみました。
まずは、圧倒的なコストパフォーマンスの高さでエントリー層から絶大な支持を集める「アイリスオーヤマ(LTC-01 / 定格消費電力 1000W)」の実測値を見てみましょう。
このモデルを使い、標準的な調理環境として水 5L を初期水温 20℃ から設定温度の 60℃ まで立ち上げ、そこから 1時間温度をキープして調理を行った場合の電気代を精密に算出しました。
水を目標温度まで一気に加熱する最初の立ち上げフェーズでは、ヒーターがフルパワーに近い高出力で稼働するため、約 15分 から 20分 間で約 0.25kWh の電力を消費します。
この初期加熱にかかる電気代は、現在の全国的な電気料金目安単価である「31円/kWh」をベースに計算すると、約 7.75円になります。
なお、この 31円/kWh という数値は、家電製品の電気代表示において業界標準として広く公表されている信頼性の高い単価です(出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」)。
無事に設定温度の 60℃ に達した後は、失われる熱を補うだけの省エネ保温モードに切り替わり、その後の 1時間あたりの平均消費電力はわずか 150W 程度にまで落ち着きます。
この保温キープフェーズでの 1時間あたりの電気代は、現行基準でわずか約 4.59円(旧目安単価 27円/kWhだと約 4.00円)しかかかりません。
つまり、立ち上げから 1時間の保温調理を終えるまでのトータルの電気代は、合算して約 12.34円という驚きの安さで収まるのです。

定格の 1000W のままフルパワーで 1時間動き続けたと仮定した場合の電気代は 31円となりますから、実際の調理ではいかに電力がインテリジェントに制御され、半分以下のコストに抑えられているかがよく分かりますね。
アイリスオーヤマ(1000Wモデル)を毎日使った場合の長期コストシミュレーション
仮に、この初期加熱から保温までを含めた「1日1時間の稼働(実質約 12.34円)」を、毎日の日課として 1年間使い続けた場合のトータルコストを算出してみましょう。
- 1ヶ月(30日)の電気代:約 370円
- 1年間(365日)の電気代:約 4,504円

※かつて標準だった「旧基準(27円/kWh)」でのシミュレーション(月額約 323円、年間約 3,923円)と比較すると物価高の影響で少し上がっていますが、それでも圧倒的に経済的です。
毎日レストラン級の絶品サラダチキンやローストビーフをテーブルに並べても、月々の光熱費の増加はワンコイン以下で収まると考えれば、家計への負担はほとんど無視できるレベルだと思いませんか?
続いて、低温調理器の専門ブランドとして圧倒的な知名度と美しさを兼ね備える葉山社中の現行フラッグシップモデルである「BONIQ 3.0(ボニーク 3.0 / 最大消費電力 1000W)」について、その驚くべき省エネ性能と実質コストを紐解いてみましょう。
BONIQ 3.0 は、家庭用低温調理器として極限まで洗練されたデザインと高い機能性を誇り、出力も前世代からさらに強化された最大 1000W(1.0kW)のパワーを搭載しています。
高出力化されたことで、冷たい水から設定温度まで引き上げる予熱時間(初期加熱フェーズ)が劇的に短縮され、全体の調理時間を短くすることで結果的に無駄な放熱時間を減らし、トータルの消費電力量を徹底的に抑え込む設計になっています。
また、この BONIQ 3.0 には最新の高性能CPUと精密な温度センサーが搭載されており、温度誤差をわずか ±0.1℃ という極小の範囲にコントロールしながら、水温を徹底的に安定させます。
さらに、内部構造とモーターの刷新によってノイズを約 30% も削減した高い静音性を持ちながら、メタル製の大型撹拌ファンが力強く水を循環させることで、設定温度に達した後のキープ段階における消費電力を最小限のオン・オフ(リレー制御や省エネ微弱運転)に最適化しているのです。
メーカーの公式検証および実際の稼働テストに基づくデータによると、一度設定温度に到達した後の温度維持フェーズ(5L〜15Lの水量)では、1時間あたりの電気代は最安で約 5.00円 〜 8.00円(現行基準 31円/kWhで算出)という極小電力でスマートに駆動します。
さらに BONIQ 3.0 は専用のアクセサリーとして、保温性を極限まで高めるための「バルクアップコンテナ」や、水蒸気の蒸発を防ぐシリコンルーフ、コンテナ自体の放熱を防ぐネオプレン製の専用スリーブなどが豊富にラインナップされています。
これらの断熱・保温ツールと組み合わせることで、水面や容器側面からの気化熱・放熱損失をほぼ完璧に遮断できるため、温度を維持するための再加熱電力をほぼ極限までゼロに近づけることが可能となります。
結果として、長時間の本格煮込み調理やブロック肉のじっくり加熱でも、財布へのダメージをまったく気にすることなく、まさにプロ仕様のレストランのクオリティをエコ&省エネで実現できるのが現行モデルである BONIQ 3.0 の真骨頂なのです。
このように、アイリスオーヤマのようなリーズナブルで高性能なベーシックモデルでも、BONIQ 3.0 のような最新のテクノロジーと充実した保温パーツを兼ね備えたハイエンドモデルでも、保温フェーズにおける実質的な稼働コストは私たちの想像をはるかに下回る安さであることが証明されています。
これほどまでに優秀な省エネ設計であると分かれば、長時間の運転でも電気代の跳ね上がりを心配する必要はどこにもありませんね。
低温調理器の電気代を他熱源と比較した節約術
低温調理器が意外と省エネな家電だということは分かりましたが、「じゃあ、普段使っているガスコンロやIHクッキングヒーターと比べたらどうなの?」という疑問が湧いてきますよね。
ここからは、キッチンの主要熱源との光熱費対比や、他の自動調理家電との違い、そして驚きの節約ライフハックについて深掘りしていましょう。
ガスコンロやIHとの光熱費対比

家庭で煮込み料理やスープをじっくり作る際、ガスやIHを何時間も微小な弱火で使い続けることってありますよね。
実は、この「火を使い続ける調理」と「低温調理器での調理」を比べると、コスト面で非常に興味深い事実が見えてくるんです。
ここでポイントになるのが、それぞれの熱源の「熱効率」の差。
ガスコンロの場合、その熱効率は一般的に約 45% 程度と言われています。
これはつまり、ガスが燃えて発生した熱エネルギーの半分以上が、鍋の脇を通り抜けてキッチン全体の空気を温めるだけの無駄な熱(対流ロス)になってしまっているということなんです。
夏場にガスを使うとキッチンが地獄のように暑くなるのは、この放熱のせいですね。
一方で、IHクッキングヒーターの熱効率は約 90% と非常に優秀です。
磁力で鍋そのものを自己発熱させるため、無駄がほとんどありません。
そして、水槽の中に直接ヒーターを突っ込んで水を温める浸水式の低温調理器は、発生した熱エネルギーが 100% ダイレクトに水に伝わるため、エネルギー効率の面ではガスコンロを完全に圧倒しています。
では、具体的に「中火で1時間、加熱を維持し続けた場合」の光熱費の差を比較してみましょう。
| 熱源・稼働条件 | 1時間あたりの光熱費(目安) | 熱効率とコストの特徴 |
|---|---|---|
| 都市ガスコンロ(中火) | 約 20.12円 〜 27.55円 | 比較的安価で安定しているが、熱ロスが約55%と大きく、夏場は室温が上がりやすい。 |
| 都市ガスコンロ(強火) | 約 48.70円 | 一気に加熱するパワーはあるが、長時間の調理に使うと光熱費が急騰する。 |
| LPガス(プロパンガス)コンロ | 約 33.68円 | 基本料金や単価が高めに設定されている地域が多く、長時間の煮込みは家計の大きな負担になりがち。 |
| IHクッキングヒーター(昼間) | 約 48.12円 | 熱効率は高いが、昼間の電力ピーク時間帯の従量料金が適用されると、意外と割高になる。 |
| IHクッキングヒーター(夜間) | 約 35.87円 | 夜間の割引電気プランを活用すればコストを抑えられるが、ガス中火よりは高め。 |
| 低温調理器(温度キープ時) | 約 5.00円 〜 8.00円 | 水温を維持するだけの超低電力運転。熱効率はほぼ100%で、あらゆる熱源の中で圧倒的に安い。 |
※上記の各数値は、一般的なガス基本料金・従量単価、および標準的な電力プランから算出した平均的な目安です。

実際のインフラ価格は地域やご契約会社、季節によって大きく変動します。
この表を眺めてみると、面白い発見がありますよね。
特にご自宅が「プロパンガス(LPガス)」の地域にお住まいの方の場合、ガスコンロでコトコトと2時間煮込み料理をするだけで、約 67円 のガス代がかかります。
しかし、そのプロセスを低温調理器に置き換えてしまえば、温度キープ時のコストは 2時間でたったの 10円〜16円程度に激減するんです。
「長時間の加熱はガスより電気(低温調理器)に任せる」という役割分担を作るだけで、毎月の光熱費をぐっと節約できるポテンシャルを秘めているんですよ。
電気圧力鍋や自動調理鍋との違い

最近は、シャープの「ヘルシオ ホットクック」のような電気調理鍋や、パナソニックなどの「電気圧力鍋」も大人気ですよね。
これらの中には、低温調理モードが搭載されている多機能モデルもあるため、「わざわざ単機能の低温調理器を別で買う必要があるのかな?」と悩む方もいるかなと思います。
圧力鍋そのものの選び方や違いを整理したい方は、フィスラーとティファールの圧力鍋を比較した記事もあわせて読むと、調理器具ごとの役割が見えやすくなります。
ここで、それぞれの電気代や導入コストを含めた総合コスパを比較してみましょう。
昔ながらのガス圧力鍋をガスコンロに乗せて 1時間調理した場合のガス代は約 20.16円。
対して、電気圧力鍋で 1時間調理したときの電気代は約 18.60円〜24.80円と言われています。
熱源自体のコストには大きな差はありません。
では、電気を使ったスマート調理器具どうしを、定格消費電力と「2時間使用した際の実質的な電気代(現在の 31円/kWh 換算)」で並べてみましょう。
電気調理鍋(例:シャープ ホットクック KN-HW24F / 定格 800W)
2時間の調理にかかる電気代は、実質約 49.60円。
これを仮に1年中毎日使った場合の年間電気代は、約 18,104.00円になります。
電気圧力なべ(例:パナソニック SR-MP300 / 定格約 700W)
2時間の調理にかかる電気代は、実質約 43.40円。
1年間の毎日使用を想定した電気代は、約 15,841.00円です。
低温調理器(例:アイリスオーヤマ LTC-01 / 定格 1000W)
保温効率を考慮せず、ややフルパワーに近い高負荷な状態で見積もった場合の2時間の電気代は約 62.00円〜62.20円。
これをベースに毎日2時間使った場合の年間コストは、約 22,630.00円になります。
一般的な 850W クラスの低温調理器を効率的に使った場合の2時間電気代は約 52.70円程度ですので、実はこれら3つの調理ツールの電気代(ランニングコスト)そのものには、目くじらを立てるほどの大きな差はありません。
ほぼ同じレンジに収まっていると言っていいかもですね。
しかし、決定的な違いは「初期投資(本体価格)」と「使い方の自由度」にあります。
電気調理鍋や電気圧力鍋は、圧力調理、無水調理、炒め物、パン焼きなど、1台で何十通りもの自動レシピをこなせる非常に素晴らしいマルチツールです。
その代わり、本体価格は数万円クラス、高いものだと 5万円〜7万円以上することもしばしば。
また、内鍋の容量が決まっているため、一度に大量のお肉を調理したり、大きめの肉塊をそのまま調理したりするには物理的な限界があります。
一方で、浸水型の低温調理器は構造がシンプルなため、1万円前後、安いものなら数千円台で手に入ります。
さらに、深さのある大きな寸胴鍋やコンテナさえ用意すれば、ローストビーフ用の大きな塊肉を何枚も同時に調理したり、お友達が集まるホームパーティー用の仕込みを一気に終わらせたりすることが可能なんです。
「普段の料理はガスコンロで十分だけど、ステーキやサラダチキン、ローストビーフをプロ級のクオリティに格上げしたい!」という明確な目的があるなら、導入費用も安く、大容量調理にも強い低温調理器を選ぶのが、トータルのコストパフォーマンスにおいて格段に賢い選択だと言えますよ。
蓋や給湯器を活用した放熱と時短

低温調理器のランニングコストはもともと十分に安いのですが、ちょっとした「物理の工夫」を取り入れることで、電気代をさらに劇的に引き下げることができるんです。私がいつも実践している、すぐに効果が出る2つの裏ワザを紹介しますね。
1つ目は、「容器に蓋(カバー)をして、徹底的に断熱すること」です。
お風呂を沸かすとき、浴槽のフタをしている状態と、開けっ放しにしている状態では、お湯の冷め方に 1.5倍 から 3倍 も差が出ますよね。
低温調理の容器でも、全く同じことが起こっています。
調理容器の上が開いたままだと、お湯からどんどん水蒸気が立ち上ります。
このとき「気化熱(きかねつ)」という力によって、お湯の熱が猛スピードで奪われていくんです。
さらに大気への放熱も合わさるため、低温調理器のセンサーは「冷めてきたぞ!再加熱だ!」と、必死にヒーターを動かして電気を消費してしまいます。
これを防ぐために、専用のフタやコンテナカバーを使うか、無い場合は家庭用のアルミホイルやサランラップを、低温調理器の本体を挟み込むようにして水面にぴったり被せてみてください。
これだけで蒸発を防ぎ、ヒーターの再稼働を最小限に抑えることができるため、長時間の保温コストが嘘のように跳ね下がりますよ。
さらに、鍋の周りに乾いたバスタオルなどを巻きつけておくのも、熱を外に逃がさないための優れた断熱テクニックです。
気化熱&放熱を防ぐ簡単3ステップ
- 調理容器のお湯の表面をラップやアルミホイルでピッチリ覆う
- 鍋の外側に厚手のタオルを巻き、洗濯バサミなどで固定する
- 鍋の下に鍋敷きやコルクマットを敷き、テーブルや床への熱逃げを防

2つ目は、「スタート時に給湯器のお湯を使うこと」です。
冷たい水道水を鍋に張って、低温調理器のヒーターだけで 0 から 60℃ まで温めようとすると、定格出力(1000Wなど)を長時間消費することになり、立ち上げの電気代がかさみます。
そこで、調理を始めるときは、あらかじめお風呂やキッチンの給湯器から 50℃〜60℃ 程度のお湯を直接注ぎ込んでスタートしましょう。
ガス給湯器やエコキュートなどの住宅設備は、非常に高いエネルギー効率でお湯を沸かすことができるため、小さな低温調理器のヒーターで沸かすよりもインフラコストが大幅に安く済みます。
これをするだけで、立ち上げにかかる時間をほぼゼロに短縮し、最も電力を使うフェーズを賢くバイパスできちゃいますよ。
また、大きな肉塊を調理する際などは、食材を均等な厚みにカットしたり、あらかじめ常温に戻しておいたりする工夫も効果的です。
熱の伝わりが良くなるため、レシピに必要な調理時間そのものを短縮することができ、さらなる省エネに繋がります。
後片付けで生まれる水道光熱費の削減

「電気代がお得になるのはわかったけれど、水代やその他のコストはどうなの?」と思いますよね。
実は, 低温調理器を導入すると、キッチン全体の水道光熱費や、目に見えない家事コストをトータルで引き下げる副次的な効果が生まれるんです。
その代表例が、「後片付け」にまつわるコストの削減です。
例えば、フライパンやオーブンでお肉を焼いた場合を思い出してみてください。
ジューシーに焼けたのは良いものの、調理後のフライパンや天板には、焦げ付いた肉汁やカチカチに固まったギトギトの脂がべっとり残りますよね。
これを綺麗にするためには、以下のプロセスとコストが必要になります。
- 脂汚れを浮かすために、給湯器からたっぷりのお湯(ガス代・電気代)を流す
- 強力な台所用洗剤を何度もプッシュして泡だてて洗う(洗剤代)
- 綺麗にすすぐために、勢いよく水道水を出しっぱなしにする(水道代)
- こびりついた汚れをゴシゴシと力任せに洗う自分の労働時間とストレス
ところが、低温調理の場合はどうでしょう。
食材は耐熱性の真空密閉袋(ジップロックなど)の中に完全に閉じ込められています。
お肉から出た旨味(ドリップ)や調味料、脂はすべて袋の中に留まり、外のお湯に漏れ出すことは 1滴もありません。
調理が終わった後の鍋の中に残っているのは、なんと「ただの綺麗な温水」だけなんです。
調理器本体も食材に一切触れていません。
片付けは、お湯をサーッと排水口に流し、調理器を軽く水拭きして乾かすだけで完了。
洗剤を使ってゴシゴシ洗う必要が一切ありません。
この「洗い物の激減」によって、お湯を沸かすガス代、水道代、洗剤代、そしてあなたの貴重な時間が毎日大きく節約されるわけですね。
これぞ究極の「見えないコストカット」だと思いませんか?
低温調理器の電気代を抑える使い方のまとめ

ここまで、低温調理器の電気代のメカニズムから、具体的な数字、そして他熱源との比較や節約方法まで、かなり詳しくお話ししてきました。
最後に、今回のポイントをおさらいしながら、低温調理器を最もスマートに使いこなすためのまとめをお届けしますね。
今回の要点をギュッと絞ると、以下のようになります。
低温調理器を賢く使うためのゴールデンルール
- 「定格出力が高いから電気代も高い」というイメージは完全な誤解!保温に入れば消費電力はわずか 30W〜150W 程度に下がる
- 24時間連続運転という究極の長時間調理を行ったとしても、電気代の実測値は 117円〜147円程度(現行単価 31円/kWh 換算)と非常にリーズナブル
- プロパンガス(LPガス)エリアの家庭なら、長時間の煮込み料理をガスから低温調理器に移行するだけで劇的な光熱費カットが期待できる
- 調理時は「給湯器のお湯を使ってスタート」「水面にラップやアルミホイルを貼って放熱を防ぐ」の2つを実践するだけで、さらに電気代を節約可能
- 食材が袋に密封されているため、調理後の片付けでお湯や洗剤、水道代をほとんど使わないという「隠れたエコ効果」も抜群!
低温調理器は、プロの味を家庭で手軽に再現できるだけでなく、正しく使えば実はとても経済的で地球にも優しい、優れた調理家電なんですね。
「電気代が高そうだから……」と購入を躊躇していたあなたも、これでもう安心して低温調理ライフに一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
週末に美味しいお肉をたっぷり仕込んで、大切な家族や友人と笑顔で食卓を囲む時間は、何にも代えがたい素晴らしい体験ですよ。
ぜひ、この記事でご紹介した節約術を取り入れながら、お財布に優しく、最高に美味しい低温調理を楽しんでみてくださいね。
ご使用にあたってのメッセージ
※本記事で紹介した電気代やガス代などの計算数値は、一般的な電力料金目安単価(旧27円/kWh、現行31円/kWh)および各メーカーの公開データや一般的な物理公式を基にしたシミュレーションであり、あくまで一般的な目安です。
実際の使用料金は、お住まいの地域、ご契約されている電力会社・ガス会社の料金プラン、ご使用の器具の型番、調理環境(気温や水温など)によって異なります。
確実で最新の情報につきましては、各電力会社やガス会社の公式サイト、またはご使用の低温調理器メーカーの取扱説明書や公式サイトをご確認ください。
安心・安全で楽しいキッチンライフを送るために、最終的な器具のご使用や契約プランの選択は、ご自身の判断と責任において行ってくださいね。